優しいお顔ときれいに結い上げた宝髻(ほうけい)
慈愛に満ちた眼差しで、おだやかなお顔です。
仏像の髪型にも時代によって流行があり、菩薩様の髪型は綺麗に結いあげた、宝髻といわれています。
この髪型のときは、宝冠や髪飾りをつけているのが一般的な像形です。
衆生の願いを満たす与願印
右手はてのひらを上に向けて
「あなたの願いを叶えますよ」「あなたを救いますよ」という意味を表す与願印。
水をすくうような形の手のひらは
「誰一人として救いからもらしませんよ」という優しい心の表れです。
あらゆる願いを叶える宝珠
左手に乗せているのは「宝珠」といわれる玉ねぎのような玉。
病を治したり、望むことを全て手に入れることができるすごい宝の珠です。
正式名は「如意宝珠」
出家する前のきらびやかなお姿
アクセサリーをつけて服もゴージャス。
これは菩薩がまだ悟りに至っていないということで、まだ煩悩があるということ。
なんだか少し身近に感じられるのは、このせいかもしれません。
蓮(はす)の花をかたどった蓮華座
泥水が濃ければ濃いほど、大輪の花を咲かせる蓮の花。きれいな花を咲かせるには泥は必要だということです。泥は「迷いの世界(現世)」
蓮華は泥に染まらない「悟りの世界」
つまり、人は悲しみや困難を経験しないと悟ることはできないということです。
菩薩様は、悟りを開いて仏になった「証」として蓮華座に乗っておられます。